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280209第5準備書面 izak 第2準備書面と似ている ベタ打ち版

280209第5準備書面 izak 第2準備書面と似ている ベタ入力版
平成26年(ワ)第24336号 国家賠償請求事件 岡崎克彦裁判長

原告 
被告 東京都

280209第5準備書面 第2準備書面と似ている

280209平成28年2月9日

東京地方裁判所民事第25部乙2A係 御中

被告指定代理人 石澤 泰彦

同 成相 博子

被告は、原告準備書面(6)について、必要と認める範囲で以下反論する。
(目次)
第1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第2 原告準備書面(6)第2(N君の母親の実態と管理職らが原告を保護しなかったこと)の認否・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第3 被告の主張
1 原告とN君の保護者との間の軋轢の原因・・・・・・・・・・・・6
2 原告が主張する「保護者の過剰な要望」・・・・・・・・・・・・・7
3 保護者の要望の内容について・・・・・・・・・・・・・・・・・8
4 保護者の要望の程度・態様について・・・・・・・・・・・・・10
第4 「第3 求釈明」について・・・・・・・・・・・・・・・・・14

第1 はじめに
被告第4準備書面では、N君にはコミュニケーションに重大な障害があって、通学上の安全指導をすることが困難であり、また、校外で一人通学指導を行う前提となる安全意識も獲得されておらず、いまだ校内指導の段階であって、校外において一人通学指導を行う前提を欠いていた旨の原告の主張(原告準備書面(3)及び同(5))について、当該主張がN君の障害特性の理解を欠いた全く自分勝手なものであって、単に原告が一人通学指導をしない口実にすぎないこと、そもそも原告が知的障害特別支援学校の教員としての技量を欠いていることの証左であることを述べた。
本書面では、N君の保護者の実態に係る原告の主張(N君の保護者の要望が過剰であること、N君の保護者がモンスターペアレントであること。原告準備書面(6))について、原告が過重な負担と感じていたとするN君の保護者の要望が決して過剰なものではなかったこと、原告には生徒の保護者の要望を受け止める能力がなく、その結果、保護者との信頼関係を構築できなかったことを述べる。

第2 原告準備書面(6)第2(N君の母親の実態と管理職らが原告を保護しなかったこと)の認否
1 第2・1について
N君の保護者の要望が過剰であること、N君の保護者がモンスターペアレントであることは否認する。
主張は争う。
2 第2・2について
不知。
3 第2・3(N君の母親の実態(3頁~24頁))について
(1)第2・3(1)ないし(10)については、それぞれの柱書部分については争う。週案、本件連絡帳、N君の保護者からの手紙の記載については争わない。
(2)ア 第2・3(11)の柱書部分については、N君の保護者が他の生徒を巻きこんで学校への要望を実現しようとしていたことは否認し、主張は争う。
イ 同(11)のアないしウについては、不知。主張は争う。
4 第2・4(管理職らが原告を保護しなかったこと(24頁~34頁))について
(1)同(1)及び(2)について
争う。
(2)同(3)について(以下単に月日のみでいう場合は、平成24年の月日をいう。)
ア 同ア(6月6日)について
「6月6日」を「6月7日頃」と修正の上、本件学校の管理職ら(以下「管理職ら」という。)が、N君の一人通学指導について原告を指導したことは認める。
管理職らが、一人通学指導を始めることができないという立場であったことは否認する。
6月6日〓、原告は、N君の保護者に対し、一人通学指導はしない旨伝えている(甲15-1枚目(「体制ができていない、個人的には2~3週間ならできるが、それ以上は無理です。**君の場合、見通しがつかない」)。なお、この面談には千葉教諭は参加していない(原告準備書面(6)第2・3(9)キ(19頁)(「ちなみに今井先生の説明では納得できず、加えて千葉先生のいらっしゃらない所での今井先生の対応で★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★〓」)。被告第1準備書面10頁16行から17行は訂正する。)。
管理職らは、6月7日頃、原告に対し、N君の一人通学指導計画の作成を命じている(被告第1準備書面11頁4行)。しかし、同計画を作成することはなかった。
同イ(6月15日)について
「6月15日」を「6月7日頃」と修正の上認める。
「一人通学指導計画」(乙7)は6月14日には中村真理主幹教諭により作成されており(被告第2準備書面9頁、甲15-2枚目)、6月15日に原告に対して作成を命じることはあり得ない。
ウ 同ウ(16日か17日)、同エ(6月18日)及び同オ(6月19日ころ?)について
原告が6月15日頃、管理職らに、一人通学指導をする場合の責任の所在について文書で確認を求めたこと、及び管理職らが文書での回答を拒否したこと(訴状10頁、答弁書10頁6行)及び原告が中村副校長にN君の中学校時代の通学指導計画を取り寄せるよう要求したこと(答弁書9頁15行)は認める。
その余の事実は否認し、主張は争う。
なお、6月16日は土曜日、6月17日は日曜日である。
エ 同カ(6月21日)について
「6月21日」を「6月22日」と修正の上、管理職らが原告がN君と二人になる場面を作らないよう指示したことは認める。
N君の保護者は、6月21日の連絡帳に原告が「ご質問にお答えします。・・」(甲15-6枚目)と記載したことについて、翌22日朝、管理職らに「(紙でなく)連絡帳に返事を書いてきた」と抗議した。また、N君の保護者は、原告に対しても同日朝、管理職らに抗議したことと同様の趣旨を訴えたところ、原告は「もしかしたら、**さんは裁判をお考えのようなので、連絡帳にしたい。」などと言ってこれを拒否した(甲15-1枚目)。これを受けて、管理職らは原告に対し、書面で保護者とやり取りすることは避けること、保護者がN君と原告が二人きりとなることに不安を抱いているので、そうした場面を作らないことを指示した(甲15-8、9枚目)。
オ 同キ(7月4日)について
N君の保護者が原告が学校からいなくなるようにしてほしいと要求したこと、校長が「教育委員会、サポートセンターはいったん預かる」と保護者に伝えたこと及び管理職らが原告の体調に何ら配慮しなかったことは否認する。N君の保護者は、原告をN君の担当から外すよう求めたものである。
その余はおおむね認める。
カ 同ク(7月6日)について
管理職らが原告の授業観察を行ったこと、原告に対し指導したこと及びN君の保護者から原告の名を通知表に記載しないよう要望があったことは認める。
その余は否認する。
キ 同ケ(7月12日)について
7月12日朝、校長が原告を呼んで指導したこと、同日午後、副校長が原告を呼んで指導したことは認める。
その余は否認する。
ク 同コ(7月13日)について
当時、連日、放課後に管理職らが原告の指導を行ったこと、N君の保護者からの要望を受け、N君の通知表に原告の名を記載しないこととしたことは認める。
その余は否認する。
5 第2・5(管理職らによる授業観察(34頁))について
平成24年7月上旬から夏季休業に入る直前まで、ほぼ毎日、本件学校の校長、副校長又は中村真理主幹教諭による原告の授業観察が行われたことは認める。
その余は不知。

第3 被告の主張
1 原告とN君の保護者との間の軋轢の原因
(1)子どもは一人の人間として社会において自立できるよう教育を受ける権利を有し、他方、学校に子を託す父母その他の保護者として、子が社会において自立的に生きられるよう必要な教育指導を行ってほしいと望むことは至極当然な要求である(教育基本法5条2項参照)。健常児(定型発達児)に比べ、自立に困難が伴う障害児においては、その要求は正に切実なものである。
ところで、自立のために必要な能力の一部である、生活のために必要な習慣(例えば、食事、衣服の着脱、排泄、清潔、就寝・起床、生活のリズム等)を身に付けさせることは、本来、保護者の第一義的な責任に属するものの(家庭教育)、国及び地方公共団体は保護者に対して学習の機会及び情報の提供その他家庭教育を支援するよう努めるものとされている(教育基本法10条1項、2項)。
特別支援教育においては、障害者(児童、生徒)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図る★・・・・・・・・・・・・・・・★ために必要な知識技能を授けることを目的とされている(学校教育法72条)。また、高等部単独校の特別支援学校である本件学校は、「高等学校に準ずる教育」を施すものであるところ、高等学校は「進路に応じた教育」をその目的としているから(学校教育法50条)、本件学校においても、当然、生徒の卒業後の進路に応じた教育を行うことが求められている。
以上のことから、本件学校卒業後の進路あるいは社会的自立の形態として「就労」を考える保護者としては、それに必要な前提条件として、基本的生活習慣(例えば、食事、衣類の着脱、排泄等)の確立や、生活力の向上(例えば、住居と目的地との間の自立的移動能力の獲得)について、学校にその指導を求めることは至極当然の要求である。
高等部単独の特別支援学校である本件学校の教員にとって、こうした保護者の要望に応えることは、正にその「職責」にほかならない(乙21。上岡一世「家庭との連携で 就労=自立を実現する教育」1998.8)。
(2)原告は、N君の保護者の要求が過剰であるとか、挙げ句の果て、N君の保護者が「モンスターペアレント」であると主張するが、そのようなことは全くない。N君の保護者の要求は、上記のとおり至極当然のものである。それにもかかわらず、原告が知的障害特別支援学校の教員としての技量、専門性を欠落してその要望に答えることができなかったため、これに業を煮やしたN君の保護者が要求の程度を強くしたにすぎないものである。以下、詳述する。

2 原告が主張する「保護者の過剰な要望」
原告は、N君の保護者の要望が過剰であったとして、本件連絡帳及びN君の保護者の手紙(以下「手紙」という。)等の記載に基づいて、以下の事柄を挙げる(原告準備書面(6)・3頁~24頁)。
① N君の母親からの綿密なコミュニケーションの希望(同3頁)
② N君の母親からの具体的な要望は入学式翌日から開始された(同4頁)
③ 連絡帳の書式変更(同5頁)
④ 本を読むように渡された(同5頁)
⑤ 水遊び・砂遊びについての要望(同6頁)
⑥ 体育祭の種目についての要望(同7頁)
⑦ 朝の活動についての要望(同8頁~12頁)
⑧ ハンカチをかむことについての要望(同12頁~14頁)
⑨ 一人通学についての要望(同14頁~22頁)
⑩ 学校でのNの座席についての要望(同22頁)
⑪ 他の生徒を巻き込んだ行動(同23頁~24頁)
被告は、本件連絡帳及び手紙に原告が摘示する記載があることは争わないものの、そうした記載が、原告の主張するように、N君の保護者の要望が過剰であるとか、ましてやN君の保護者がモンスターペアレントであることを裏付けることにはならない。
すなわち、N君の保護者の要望の内容は、障害児、特にコミュニケーションの困難な自閉症児の保護者として当然のものである(3において述べる。)。
また、その要望の程度・態様は、一見強硬のようにも受け止められかねないものの、保護者の要望に対する原告の対応と照らし合わせると、そうした強硬とも受け取れる態様は、むしろ原告の保護者への不適切な対応によって引き起こされたものであることが分かるのである(4において述べる。)。

3 保護者の要望の内容について
(1)2の①②③について
N君の保護者の要望は当然のものである。自閉症児、特に言葉によるコミュニケーションに障害がある自閉症児の場合、自閉症児である我が子にずっと寄り添っていた保護者が新たに担任となった教員に、我が子とのコミュニケーションをとる方法やパニックを起こした場合等の対処法を伝えようとすることは、至極当然であるし、また、そうした子を指導する立場になった教員等にとって、保護者からの情報提供は有用なもの(むしろ必要不可欠)である(乙23 高橋みかわ「重い自閉症のサポートブック」2011.2)。したがって、入学前の面談時や、入学直後から、担任との意思疎通を図ったり、その手段としての連絡帳の様式の変更を求めたりすることは何ら過剰な要望ではない。
ところが、原告の主張(「N君の母親は入学前から担任との綿密な★・・・★コミュニケーションを希望し、自己の意図を担任に伝える姿勢が強かった★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★。」(3(1)柱書)、「N君の母親からの具体的な要望は入学式翌日から開始された★・・・・・・・・・・・・★」(3(2)見出し)、「N君の母親は、入学式初日より、本件学校で通常用いている連絡帳の欄外や★・・・★A4用紙1枚程度の別紙等を用いて★・・・・・・・★、毎日★・・★記入をしてきていた。」(3(3)柱書)など。)からは、そうした保護者の意向や情報提供をむしろ煩わしく感じている様子が看取できるのである。
(2)2の⑤⑧について
⑤はN君の砂遊び、水遊びに関するやり取りである。被告第4準備書面で述べたように、自閉症の子には感覚過敏等があり、水や砂に過敏に反応する。砂遊びについては墨田特別支援学校中学部の通学指導においても課題として取り組まれていたことは前述したとおりである。
⑧はコミュニケーションが困難なN君の不安やイライラについての対処に関するやり取りである。こうしたことについては、自閉症児の保護者にとって、教員等に特に情報を伝える必要がある事柄である(乙23参照)。
(3)2の⑥について
N君は東京シティーマラソン障害者の部10kmで完走できる力がある。当然の変更である。
(4)2の④⑦について
4月当初から、N君の保護者は登校時にN君に付き添って毎朝本件学校に来ており、8時40分からの日常生活指導を見学する機会があった。そこで、本件学校での授業準備等のやり方を観察してN君の課題を見つけ、自宅でその克服に向けた練習を積ませていた。
ところが、そうした過程で、本件学校、特に原告の指導方法について疑問を感じるようになり、「日常生活指導」について書かれた本を、原告に一読を薦める趣旨で机上に置いたものである。
これに対して、原告は、「本来専門家である担任に、自己が推薦する図書を読ませて自己のやり方を伝えようとするN君の母親の在り方は、一般的な担任と保護者のコミュニケーションの枠を超えて、担任が自己のやり方に合わせることを要望していることの如実な顕れである」(3(4)柱書(6頁))と非難するが、原告の自負がなんら根拠がないものであることは被告第4準備書面に述べたとおりである。
(5)2の⑨について
従来述べてきたように、一人で徒歩や公共交通機関を使って通学することは、様々な力をつけ経験の幅を広げる大きな学習場面となるほか、生徒が保護者から心理的に独立し目的を持って行動する大きな機会となる。さらに、一人通学ができることは卒業後の進路を考える上で選択範囲が広がることにつながる。したがって、一人通学は「自立と社会参加」を目指す上での大きな力となり、その力が本人の「生きる力」へとつながっていく(被告第2準備書面・第1・1(1)イ。乙21-105~110頁参照)。
一人通学の指導は生徒の障害特性・程度に応じた段階的目標を設定して実施すべきであって、結果達成困難であるとして指導しない原告の姿勢がその職責を放棄したものであることは既に述べた。

4 保護者の要望の程度・態様について
(1)別紙は、原告準備書面(6)・第2・3(3頁~24頁)で摘示された本件連絡帳や手紙等の記載を、項目別(3(1)ないし3(11))かつ時系列に並べたものである。それを基に本件連絡帳や手紙等の記載をみると、入学当初、原告に対して懇切丁寧に情報を提供していたN君の保護者(以下では、単に「保護者」という場合、N君の保護者をいう。)の様子が、4・5月の連休前後から徐々に変化していく様子がうかがえる。
(2)4月の入学当初は、新しい環境になじんで担任と積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が明るい表現で描かれて(別紙のA。「高等部は自立に向けて、どこまで生徒自身の力で生活できるか・がポイントとなる」(3(1)のイ)「Nには少しずつあいさつができる様にしていきたいです」(3(1)のウ))、これに対して原告も丁寧にコメントを書き入れている(3(1)のウ)。
(3)ところが、4月の後半になると、保護者の態度に変化がみられるようになる(別紙のB)。たとえば、4月23日の記載には、保護者が突然授業を見学したことが記載されているが(3(7)のイ)、教員によるN君の指導に疑問を感じたことがこうした行為の背景にあるものと推測される。しかし、この時点では、学校での課題を見付けて家庭でその練習をしたことを報告するという、前向きな姿勢が明るい口調で記載されている(3(7)のイ、エ)。また、4月26日の記載には、ハンカチをかむことに対する要望が述べられているが、かなり控えめな表現になっている(3(8)のア)。
ところが、5月2日の記載では様子が大きく変わっている。それまでのように明るく前向きな口調は消え、学校に対する懐疑的な視線に変わり、要望の表現も強くなっている(「朝の貴重品提出の時、本人が定期券を出しているでしょうか?家で、バック★ママ★から定期入れ本体を取りはずせる様になりましたので、取りはずして提出させる様、声かけをお願いします、取り付けも自分でできます。やらせて下さい」(3(7)のオ))。
この時期に、保護者は、原告に図書の閲読を薦めている(なお、その図書の著者は乙Aの著者と同一である。)
(4)連休が明けた5月10日の家庭訪問を契機に、保護者は一人通学練習に入りたい旨希望を伝えた(別紙のC)。翌週の5月14日には、連絡帳で一人通学練習に入りたいと記載した(3(9)のウ)。これに対する原告や千葉教諭の反応は否定的であったが(3(9)のエ、オ)、それでも、保護者は後追いの形での練習をする旨伝えている(3(9)のエ、オ)。
(5)体育祭(5月26日)が終わり、授業参観週間(6月4日~8日)に大きな変化を迎える(別紙のD)。授業参観週間2日目の6月5日、保護者は、意を決して面談を申し込んでいる(3(7)のカ)。翌6月6日朝、原告は保護者に対し一人通学指導はしない旨伝えた(甲15-1枚目。前記第2・4(2)ア)。同日の日付の手紙で、保護者は「1人通学について やはり、まだ、納得が行きません。今日、中学2年の時の通知表(乙12の2参照:代理人注)を見て、泣いてしまいました。・・・中学2、3年の時の努力を否定されて大変悲しいです。」(3(9)のカ)と記載した。
保護者はこの後校長に面談した。その結果、校長は担任らを呼んでN君の一人通学練習を開始するよう指導し、そのためまず一人通学指導の計画を作成するよう原告に命じた。
この後の保護者と千葉教諭とのやり取りが、千葉教諭が本件連絡帳に記載した「朝、お忙しい中、お話ありがとうございました。学校からも、出来るところで**君の一人通学のバックアップを考えていきたいと思います。何かありましたら、また、ご連絡下さい。本当に慎重すぎて申し訳ありません。」(甲3の2、6月8日)と、保護者の「千葉先生 毎日、大変お世話になっています。一人通学については大変ご心配をかけます。私としては千葉先生のNに対するご心配は、重々わかります。私が千葉先生の立場でしたらわかります。ただ、お話や手紙に書いた通りですので、申し訳ありませんが私の判断で見切り発射(?!)の形になってしまいました。よろしくお願いします。ちなみに今井先生の説明では納得できず、加えて千葉先生のいらっしゃらない所での今井先生の対応す、また、お話の中でとても私の考え方と全く違うポリシーでしたので、事が大きくなってしまいました。千葉先生も結果的に巻き込んでしまいました。この点は大変、心苦しく思っています。このあたりはご理解いただけると私も安心なのですが(中略。この部分は3(7)のク)くれぐれも千葉先生の大きな負担にはなりませんようにと思います。」との6月10日付けの手紙(3(9)のキ)である。
この千葉教諭からの連絡帳の記載(甲3の2、6月8日)、3(9)のキ及び3(7)クの千葉教諭宛ての手紙からは、6月6日に保護者と面談したのは原告一人であったこと、原告が保護者の一人通学指導の求めを拒否したこと、従前、千葉教諭は一人通学指導に否定的であったが(3(9)のオ(5月16日))、校長の指導・説得を受けて肯定的立場に変わったこと、保護者はN君が朝カバンから連絡帳を出すこと、自分の机と椅子を廊下に出すこと、着替えをすること、出席簿を職員室に持っていくことを自分の力でやらせてほしく思っていたことが分かる。さらに、その文面からは保護者の千葉教諭に対する配慮がうかがえ、保護者が、原告の主張するような「モンスターペアレント」などでは全くないことが分かるのである。
(6)ところが、原告は自己の主張を曲げず、校長から命じられた一人通学指導の計画を作成しないばかりか、校長や千葉教諭が積極的にバックアップする一人通学練習に否定的態度をとった。6月14日、保護者は登校途中で保護者と離れて歩くN君が信号機のある交差点で右折してくる自動車と衝突しそうになったところ、自ら立ち止まり衝突を回避したことを「嬉しい出来事」として報告した(3(9)のコ)。しかし、原告はこのことを否定的に捉えた(千葉教諭は肯定的に捉えている。3(9)のサ)。また、朝の指導についても、原告は、連絡帳や着替え等についての保護者の要望(3(7)クの後半部分「しつこい性格ですみません・・」)に反した形で行った。
(7)次の週の6月19日、保護者は「けさから私の方でNの朝の指導をします。」(3(7)ケ)と宣言して、原告の指導を拒否し、自らNの朝の指導を行うことを開始した。6月20日朝、原告は保護者と面談した。そこで、原告は一人通学指導ができないこと、具体的には、一人通学指導が勤務時間外で「ボランティア」として行われ、事故の責任も取らされると述べた。保護者はその真意を確認する必要を感じて、「今井先生へけさはお話ありがとうございました。・・先生のおっしゃっていた「40分」(←何時の話ですか)「ボランティア」「事故」と一人下校の話で、学校の方に何を強く言っていただいたのかわからなかったので。とても大事な部分だと思いますし、私も意味を取り違えたりすると、先生に失礼かと思い。お手数ですが、明日、(紙に書いて)お返事いただけると嬉しいです。・・」と手紙を書いた(3(9)のセ)。
(8)これに対し、原告は、6月21日、こともあろうに、保護者がN君の学校での様子を知る上でとても大切にしている★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★連絡帳(後述の3(9)タ参照)に、「ご質問にお答えします。『ボラ』『事故』について、休けい時間中に指導をしていて、事故が起きたときの責任は誰がとるのかということです。休けい時間を別にとり、業務であるので責任は学校にあるということで解決しました。また『組合としてはそうでしょうが』ということに対しては、私は組合員ではありません。」(3(9)のソ)と記載した。
保護者はたまらず、別紙で「今井先生へ まずはお返事、ありがとうございます。ちなみに、お手紙には『紙に書いて』お返事いただけると~と書きましたよね。申し訳ありませんが大人のやりとりは連絡帳に書くのはやめませんか? これは決してNの学校での様子とは全く関係ありませんので。我が家にとって学校の連絡帳は、Nの学校での様子を知る上で大事な物であって、私は先生方や学校への話は今まで全て、このレポート用紙で書かせていただきました。今後大人のやりとりは別紙にてお願いできませんか?紙が用意できない様でしたら、私の方でご用意させていただきます。・・」(3(9)のタ)と伝えた。
保護者は、6月22日、管理職らに原告の連絡帳への記載について抗議した(甲15-9枚目)。
(9)以上のように、原告に対する保護者の要求は当然のものであって、原告に対する保護者の態様は、むしろ原告の保護者への不適切な対応によって引き起こされたものである。

第4 「第3 求釈明」について
1 1について
釈明の必要を認めない(第2・5で述べたとおり。)。
2 2について
釈明の必要を認めない(証拠調べで明らかにされる事柄である。)。
3 3について
指導要録様式変更の通知については乙24の1及び2のとおり。
その余は、被告第3準備書面で述べたとおりである。
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